TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

Veterinary Cardio Night Day3 HCM Phenotypeから真のHCMを炙り出す

2023年08月30日

Veterinary Cardio Night Day3 HCM Phenotypeから真のHCMを炙り出すというwebセミナーを受講しました。
Veterinary Cardio Nightは1日1人の講師の先生が心臓病のそれぞれに与えられたテーマについてお話をするセミナーで去年も今ぐらいの夏の暑い時期にやっていました。今回はそのDay3で講師は北海道大学の中村健介先生でした。

Day1の高野先生、Day2の田口先生、Day3の中村先生皆さんが2020年に出たACVIMのガイドラインに出ているHCM Phenotypeと真のHCMについて触れていました。HCMとはHypertrophic Cardio-Myopathy=肥大型心筋症の略で、心室壁の肥厚による心室の拡張障害によって循環機能障害を呈する病態です。
HCM Phenotypeとは見かけ上のHCMというような状態で、その中に真のHCMも含まれますが、他にも脱水や高血圧・甲状腺機能亢進症などによって左室壁が肥大することによる偽のHCMも含まれます。脱水であれば治療は点滴になりますし、高血圧や甲状腺機能亢進症であればそれぞれの治療が必要になりますが、真のHCMはHCMの治療が必要になります。そこをしっかりと仕分けることは大切になってきます。

真のHCMの猫について治療が必要になるかどうかは主に左心房の拡張があるかどうかになりますが、中村先生は左心房の評価としてよく用いられているLA/Ao比という左心房の大きさを評価する項目だけでなくLA FSという左心房の収縮能を見る検査を導入してみたらどうかとお話されていました。以前からLA FS評価のお話は伺っていましたが、中村先生は心基底部の短軸像での評価ではなく左胸壁からプローブをあてた四腔長軸像で拡張期と収縮期の左心房の大きさを測定していました。心基底部の短軸像よりもはっきりとした結果が出そうなきがするので当院でも導入してみたいと思います。