TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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軟部外科オペテクニック解説セミナー 脾臓の外科

2023年06月28日

軟部外科オペテクニック解説セミナー 脾臓の外科というwebセミナーを視聴しました。
講師は米国獣医外科学専門医(小動物)の徳永暁先生でした。

先生は脾臓の主に血管解剖、脾臓摘出、脾臓の生検、脾臓摘出術中術後の合併症についてお話されていました。
脾臓摘出は比較的よくある外科で当院でも時折行っています。
最近はシーリングデバイスという血管をシールして止血する器械があるので以前のようにちまちまと細かい血管を結紮離断しなくてもよくなって手術時間はとても短くなりました。
脾臓に向かう血管は腹腔動脈から分岐した脾動脈が細かく分かれていくようになっていますが、途中膵臓の左葉に向かう血管が脾動脈から分岐しています。膵臓左葉に向かう血管を障害すると膵臓左葉の血流が阻害されて壊死するといわれているので、いつも脾臓ギリギリで血管をシールして脾臓を摘出しています。
徳永先生は脾臓からのアクティブな出血があって動物の状態が悪い時などに、脾臓ギリギリではなく脾動脈から膵臓へ血管が分岐した所より末梢の出来るだけ近位で脾動脈を結紮離断することがあるとお話されていました。
以前にも手術時間短縮のためにそこを狙ってみようと思ったことがありましたが、脾動脈が入っている胃脾間膜に脂肪がすごくついていて血管の場所がとても分かる感じがしなかったので通常通り脾臓に近い場所で血管をシールして脾臓摘出をしたことがありました。先生は膵臓へ向かう血管は脾動脈から分岐して背側に向かうのでよく見ればわかるよとお話されていたので、またチャンスがあれば血管の走行をよく観察してみたいと思います。