TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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軟部外科オペテクニック解説セミナー 会陰ヘルニア

2023年08月27日

軟部外科オペテクニック解説セミナー 会陰ヘルニアというwebセミナーを受講しました。
軟部外科オペテクニック解説セミナーは全5回のシリーズセミナーで今回の会陰ヘルニアが最後の5回目でした。
講師の先生は米国獣医外科学(小動物)専門医の徳永暁先生でした。

会陰ヘルニアとは肛門近くの会陰という部分の骨盤隔膜が薄く弱くなって腹腔からの圧力に負けて腹腔内の臓器などが骨盤隔膜外に出てしまう病態です。発生は圧倒的に未去勢の雄犬に多いのですが、当院では雌犬の会陰ヘルニアの手術を行ったこともあります。会陰ヘルニアの治療は破綻した骨盤隔膜を再建する外科治療になりますが、きちんと解剖を理解してヘルニア孔を閉鎖しないと比較的高確率で再発するやっかいな病気です。
当院で手術を行った症例では過去に1度も再発をしたことはありませんが、たまたま重度に筋肉が委縮した症例に当たったことがないだけかもしれません。

徳永先生は会陰ヘルニアを最も多い尾側ヘルニア、比較的少ない背外側ヘルニア・腹側ヘルニア・腹側ヘルニアに分けて考えると話していました。今までそのような分類をしたことがなかったのですが、教科書にも載っているので術前に分類をして術式を考えた方が良いよとお話されていました。また内閉鎖筋転移術についてよく行われているのは内閉鎖筋転移術とは言わないとお話されていて、当院でも内閉鎖筋転移術と思っていたものが実は内閉鎖筋を利用しているだけで転移はしていなかったことが分かりました。
今までそのようなことを言われたこともないし、何かに記述があったこともないので新鮮でした。
会陰ヘルニアの整復にはいくつかの術式がありますが、当院の術式は徳永先生の言う古典的な会陰ヘルニア整復術(の変法)でした。他にも浅臀筋転移術や総鞘膜転移術、半腱様筋転移術などを詳しく説明して頂いたのでこれから古典的な整復術では危険だなと判断した時や再発してしまったときは新しい術式を試してみても良いかもしれないと思いました。