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時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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血圧測定の意義とコツ たかが血圧されど血圧

2023年09月13日

麻布大学小動物臨床セミナー 血圧測定の意義とコツ たかが血圧されど血圧を受講しました。
講師は麻布大学の藤井洋子先生でした。

高血圧による臓器障害をTarget Organ Damage(TOG)と言います。高血圧によって障害を受けやすい臓器として、腎臓・眼・脳・心臓があると言われていますが、藤井先生は障害を受けやすい臓器には短い距離で大きな圧格差を生じやすい血管があるとお話されていました。それが腎臓の傍髄質糸球体輸入細動脈、眼の網膜動脈、脳の穿通枝・心臓の冠状動脈だそうです。距離が短いので血圧の変動を干渉しにくく障害が出やすいということですね。腎臓・眼・脳・心臓は高血圧による障害を受けやすいとは聞いていましたが、何故それらの臓器が生涯を受けやすいのかを知ると納得しますね。
腎臓におけるTOGでは、収縮期血圧(一般的に言う上の血圧ですね)が160mmHg以上で腎障害のリスクが3倍になり腎機能のさらなる低下を生じる。血圧が高いほど腎疾患の予後は悪いという報告が2003年にJAVMA出ています。眼におけるTOGには網膜の血管障害による急性の失明が比較的よく見られますが、よく眼底を観察してみると網膜剥離や網膜浮腫なども見られます。先日けいれん発作を主訴に来院された猫ちゃんも収縮期血圧190mmHg以上という高血圧でしたが、網膜剥離がありました。
高血圧の程度にはよりますが、危険な高血圧はできるだけ早期に降圧させたほうが良いと思います。
失明してからでは遅いですからね。