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臨床の悩みどころ 猫の心因性脱毛
臨床の悩みどころ 猫の心因性脱毛
2023年11月17日
臨床の悩みどころ 猫の心因性脱毛というwebセミナーを受講しました。
講師は米国獣医行動学専門医の入交眞巳先生でした。
先生は始めに「脳(心)が掻痒行動に影響するのはどんな時か?」として
1:元々皮膚疾患があり、痒みもある場合に何らかの「葛藤」から必要以上に舐めたり掻いたりする場合
2:「葛藤行動(常同行動)」や「常同障害」から皮膚に障害が発生してしまったり外傷が出来てしまう場合
3:掻く仕草ををすることで飼い主の関心を求める場合
の3つの状況を挙げていました。
講義の中で猫を遊ばせてストレスを発散させるといいよというお話をされていました。
以前から猫の食事を普通にお皿に入れて与えるよりも、採集行動をしないと食べられないようにして食事に遊びを取り入れたほうが猫のハンターとしての欲求が満たされるのではないかと言われています。
American Association of Feline PracticeとInternational Society of Feline Medicineは共同で2013年に猫にとって快適な環境づくりのためのガイドラインを発表しています。
ガイドラインの中で猫が快適に過ごすための5つの指針を挙げています。
1:安全で安心できる場所を用意すること
2:猫にとって重要な必要物資を複数個所・場所を離して設置すること
3:遊びや捕食行動の機会を与えること
4:ヒトと猫の良好な関係を築くこと
5:猫の嗅覚の重要性を尊重した環境を用意すること
5つの指針の3つ目に遊びや捕食行動の機会を与えることと謳っていますね
入交先生は空き箱やペットボトル、トイレットペーパーの芯、卵が入っていたケースなどを使って食事の時に捕食行動がとれるようなオモチャ的なものを自作して先生が飼っている猫に与えている動画を披露されていました。
ペットは時に買ってきたおもちゃよりもその辺の袋だったり何ならゴミの方に興味を持ったりすることがあります。
当院の猫もそんなところがあるので、捕食行動がとれるおもちゃを自作してみようと思いました。