第28回日本獣医がん学会教育講演 胸腺腫の外科的切除を視聴しました。
演者はネオベッツVRセンターの宇根智先生でした。

胸腺腫の診断と管理の講演をされた前演者の金井先生のお話では術後の死亡率が20％ととても高い外科手術になります。
宇根先生はまず胸腺腫の解剖のお話からされていました。胸腺腫は胸腺の腫瘍ですが、胸腺は胸腔の縦郭というスペースにあります。縦郭には重要な血管や神経が多く通っていますので胸腺腫の摘出には細心の注意が必要となります。
先生は胸腺腫の外科摘出を行った症例について術前のCTによる評価から胸骨正中切開による開胸術、腫瘍の摘出と最後の閉胸までをきれいな動画を示しながらお話されていました。
胸腔というスペースが限られた中での腫瘤の操作はかなり大変そうでしたが、いくつかの鉤を使って腫瘤に付着している膜状構造物と血管を丁寧に剥離離断して摘出されていました。
講演の終わりには会場の先生から質問がいくつも出ていて会場の熱気を感じる講演でした。