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肺疾患の鑑別(肺炎を中心に)
肺疾患の鑑別(肺炎を中心に)
2024年03月14日
第20回 日本獣医内科学アカデミーの配信で肺疾患の鑑別という教育講演を受講しました。
講師は米国獣医内科学専門医の福島健次郎先生でした。
専門医の先生方はよく診断や治療についてガイドラインや論文・報告などを基礎にお話をされていますが、先生は肺炎の診療についてはCanine&Feline Respiratory Medicineという教科書と2017年に発表されたACVIMのガイドライン、その後の論文のアップデートを参考にしているとお話されていました。
福島先生は主に細菌性肺炎について時間を使ってお話されていました。
先生は細菌性肺炎は普通すぐに治って再発しないことが多いので、難治性の細菌性肺炎だったり再発性細菌性肺炎の症例では基礎疾患(あるいは他の細菌性肺炎を起こす原因)があることが多いので基礎疾患を探すようにお話されていました。
示されていた再発性細菌性肺炎の症例では、検査の結果胃食道逆流と食道の運動性低下が見つかったので恐らくそれらによる誤嚥性肺炎があったのだろうとお話されていました。
福島先生は米国獣医内科学専門医の資格を取っていますが、何年か前まではコロラド州立大学で診療をされていました。
アメリカでは今でもたまにペストがでるからペストを疑う症例が来院した時は大変だったとお話されていました。ペストって歴史上の伝染病だとばかり思っていましたが、世界ではまだあるんですね。
調べてみたら厚生労働省のHPには発症してから24時間以内に致命的になりうるとの記載があって結構怖い病気みたいでした。