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耳道腫瘍の外科 第27回日本獣医がん学会
耳道腫瘍の外科 第27回日本獣医がん学会
2023年02月10日
第27回日本獣医がん学会の教育講演 耳道腫瘍の外科を視聴しました。
講師は日本動物高度医療センターの山下傑夫先生でした。
耳道の外科はたまにあります。主に慢性外耳炎の管理のための外側耳道切除が多い印象ですが、耳道の腫瘍切除のための耳道切除もあります。
山下先生は始めに耳垢腺癌や耳垢腺腫、皮脂腺上皮種、扁平上皮癌などの腫瘍性疾患と慢性外耳炎や真珠腫、猫で時折みられる炎症性ポリープなどの非腫瘍性疾患の紹介をされていました。
炎症性ポリープを盲目的に鉗子で挟んで引き抜く動画を見せて頂きました。硬性鏡で見ながら引き抜く動画は以前拝見したことがありましたが、盲目的に引き抜くのも結構ありかもしれないと思いました。
犬の耳道に発生した扁平上皮癌と猫の耳介に発生した扁平上皮癌(比較的多い発生です)が切除後数年して浅頚リンパ節に転移して浅頚リンパ節が腫れている画像を提示されていました。浅頚リンパ節は前肢から頚部にかけて発生した腫瘍の転移が起こる場所ですが、耳からも飛ぶんですね。驚きでした。
浅頚リンパ節は注意が必要ですね。画像で腫れていなくても廓清してしまっても良いかもしれませんが、腫れていない浅頚リンパ節の廓清は事前にきちんと予習しておかないと難しいかもしれません。
術式としては、外側耳道切除術・垂直耳道切除術・全耳道切除術などの紹介をされていました。
全耳道切除術の合併症発生率(全ての)は報告によって21~82%、永続的な顔面神経麻痺が0~15%、深部感染が0~10%となかなかハードな内容でした。全耳道切除術をしなくてはならない状況を作らないことが大事だと感じました。