TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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症例画像から紐解く!画像診断実践セミナー 第2回 X線画像

2024年03月09日

症例画像から紐解く!画像診断実践セミナー 第2回 X線画像というwebセミナーを受講しました。
講師はVet Imaging Support代表で日本獣医画像診断学会 認定医の石川雄大先生でした。
画像診断実践セミナーは受講前に症例のプロフィールと画像がお題として出されて、自分なりに画像を読影してから受講をするという頭を使うセミナーです。
前回の第1回は超音波画像を見て画像診断をするというセミナーでしたが、今回はX線画像を見て画像診断をしてみる回でした。
石川先生のセミナーはわかりやすくて実際の読影に使える話が多いので、先生のセミナーがあれば見るようにしています。

今回は元気食欲低下、慢性嘔吐の猫ちゃんと慢性嘔吐と体重減少の猫ちゃん、乾性の咳のポメラニアンの3症例の画像がお題として出されていました。
1症例目の慢性嘔吐の猫ちゃんの腹部レントゲン画像には腹腔内脂肪に結節が多く見られたので「何だろ?腹腔内腫瘍の播種?」かな?と思って本編を受講しました。
石川先生は画像を見て診断を当てるようなことは必要が無いが真っ当な鑑別疾患を挙げることが重要だといつも言っています。
まあしかし、ある程度知識もないと鑑別疾患が挙げられないのでこれがなかなか難しかったりしますが、今回も頑張りました。
先生はまず鑑別疾患はどれ?と言ってリンパ腫・肥満細胞腫・腸腺癌・胆管癌・膵腺癌・消化管内異物・胃腸炎など非特異的疾患(複数回答可)を挙げました。
猫だしな。。リンパ腫?肥満細胞腫ではなさそうだけど腸腺癌や胆管癌なんかも転移しそうだし
ってかこの複数回答可ってやらしいな!複数回答可と言いつつ答えがひとつのこともあるってオチもあるぞ、でもまあ自分としてはリンパ腫・腸腺癌・胆管癌・膵腺癌か?いや待てよ複数回答可とは言え答えが4つは多くないか?じゃあリンパ腫・腸腺癌にしよ!(他の2つを減らすに至った根拠は特になし)などと考えていました。
次に石川先生はこの画像は腫瘍の腹膜播種を強く疑う画像だが、腹膜播種には上皮系腫瘍の播種・非上皮系腫瘍の播種・リンパ腫の播種の3種類があって猫の場合ほとんどが上皮系腫瘍の播種だとお話されていました。
よって挙げるべき鑑別疾患としては上皮系腫瘍の腸腺癌・胆管癌・膵腺癌ということになるんだそうです。

いやでも猫の場合腹膜播種を起こす腫瘍のほとんどが上皮系腫瘍だとか知らないし!とは思いましたが、この辺が画像診断学会認定医試験に落ちた自分と認定医である石川先生の違いなんだなとも思いました。
認定医になるには幅広い知識が必要なんですね。きっと! 悔しいが仕方がない。

ちなみに上皮系腫瘍と非上皮系(間葉系)腫瘍って何?と思った方は本HPの腫瘍科の軟部組織肉腫のところに説明を載せていますので読んでみてください。

こんな感じであと2症例の解説があって頭がかなり疲れてセミナーが終わりました。

画像診断をする時に石川先生がこんな感じで考えて鑑別疾患をあげているんだなというやり方とか筋道が少しわかった気はしました。
ただ圧倒的に知識量に差があるので引き出しを増やす努力も必要だなと痛感しました。