-
獣医療におけるがん終末期の疼痛管理と海外から見たQOLの考え方
獣医療におけるがん終末期の疼痛管理と海外から見たQOLの考え方
2023年02月19日
獣医療におけるがん終末期の疼痛管理と海外から見たQOLの考え方(第27回 日本獣医がん学会 メインシンポジウム がん終末期のケア)を視聴しました。
演者はCONSCIOUS代表 小田彩子先生でした。
小田先生は日本生まれの米国育ちで、ノースカロライナ州立大学獣医学部卒業後、米国獣医麻酔疼痛管理専門医の資格を取得、後に日本獣医師国家資格を取得して現在フリーランスの獣医麻酔医として活動をされている先生です。以前から国内・北米・獣医師資格が使える東アジアならどこへでも行きますとお話されているワールドワイドな先生です。
小田先生は疼痛の分類やWHO(世界保健機構)やAAHA(アメリカ動物病院協会)の疼痛管理ガイドラインについてお話されたあとに、疼痛管理に使われるそれぞれの薬剤がどの部分(局所・脊髄・脳など)に効くのかおよび効果的な使い方などについてお話されていました。
最後に患者である動物と飼い主のQOLの向上と米国における安楽死の考え方についてお話されていました。
米国には伴侶動物の安楽死について学ぶことができる団体があることや米国の獣医大学での調査では安楽死について勉強する時間は2-3時間しかなかったとのお話もありました。
日本では動物の安楽死については(少なくとも自分が学生の頃は)学ぶ機会はなかった気がします。
米国と日本では安楽死についての考え方もかなり異なっていますが、動物を苦しみから解放してあげる手段が他にないのであれば安楽死を治療のひとつとして考えていきたいと思いました。