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犬の脳炎を診る・治療する~MRI/脳脊髄液検査からの鑑別とその治療~
犬の脳炎を診る・治療する~MRI/脳脊髄液検査からの鑑別とその治療~
2024年03月29日
第20回日本獣医内科学アカデミーの教育講演で犬の脳炎を診る・治療する~MRI/脳脊髄液検査からの鑑別とその治療~を受講しました。
講師はまつき動物病院の松木直章先生でした。
脳炎には感染性脳炎(ジステンパー脳炎、細菌性髄膜脳炎、猫伝染性腹膜炎による脳炎など)と非感染性脳炎があります。
非感染性脳炎はMeningoencephalitis of Unknown Origin:MUOと言われていて、MUOの中には肉芽腫性髄膜脳炎:GME、壊死性髄膜脳炎:NME=パグ脳炎、壊死性白質脳炎:NLEがあります。
松木先生は主にこれらの3つの非感染性脳炎について好発犬種や炎症が起こる部位、生存期間などについてMRI画像や病理のスライドなどを用いてお話されていました。
講演の最後に松木先生はヒトの非セリアックーグルテン過敏症での白質脳炎とイヌのGMEの病理組織像の類似点について触れて、仮説だと前置きをした上でグルテンフリー(グレインフリーではない)の食事にすることでMUOのイヌに何か良いことが起こる可能性があるかもしれないとお話されていました。
グルテンフリーということは小麦が入っていない食事ですね。
今MUOを疑って治療しているワンちゃんがいますので飼い主様にお話をしてみようと思います。