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休診日 火曜日・祝日

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犬の甲状腺機能低下症の診断と治療 トラブルシューティング

2023年02月18日

犬の甲状腺機能低下症の診断と治療 トラブルシューティングというwebセミナーを受講しました。
講師は岐阜大学の西飯直仁先生でした。
犬の甲状腺機能低下症は比較的よくある疾患ですが、実は病気ではないのに病気だとして治療をされていることが多い病気でもあります。

西飯先生も冒頭に犬の甲状腺機能低下症の説明として、一般的な内分泌疾患であり最も過剰診断されている疾患のひとつであるとお話されていました。
甲状腺ホルモンは生きていくうえで必要なホルモンですが、脳の視床下部や脳下垂体という部分から甲状腺ホルモンを出しなさいという指令が甲状腺にでて、甲状腺が甲状腺ホルモンを出すという流れになっています。
甲状腺機能低下症は原因によって2つに分かれていて、甲状腺自体の異常によるものを一次性(原発性)甲状腺機能低下症、指令をだす脳に障害があるものを二次性(続発性)甲状腺機能低下症と言います。
犬の甲状腺機能低下症はほとんどが一次性になります。
診断は、特徴的な臨床所見(被毛や皮膚の異常・高脂血症・肥満・活動性の低下)に加え、甲状腺ホルモン(T4・fT4)の測定、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定、抗甲状腺抗体(TGAA)の測定、超音波検査による画像検査などにより行われます。
一次性甲状腺機能低下症の原因は、原因不明の甲状腺委縮による特発性甲状萎縮縮と炎症による甲状腺組織破壊によるリンパ球性甲状腺炎に分けられます。
今回西飯先生は2007年にGraham先生が仮説として発表した甲状腺機能低下症の病気の話をしていました。
それは特発性甲状腺萎縮やリンパ球性甲状腺炎は異なる病気ではなく、病期(ややこしいですね)が異なるだけではないのかという仮説です。つまり、初めに症状もない甲状腺ホルモン低下もないが抗甲状腺抗体だけがある潜在性甲状腺炎の時期があって次第に甲状腺が炎症によって痛んでくると甲状腺機能低下の時期が来て最後に甲状腺が萎縮してくるというものです。とても興味深い内容でした。