TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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化学療法剤の薬用量と適応

2023年12月18日

化学療法剤の薬用量と適応というwebセミナーを受講しました。
このセミナーはJFVSS(日本獣医学専門医奨学基金)という団体が主催するチャリティーセミナーで受講料の一部がJFVSSの運営にあてられるみたいです。
最近はアメリカで専門医の資格をとって帰国される先生も多くなってきましたが、今回のセミナーは20年ほど前にアメリカで獣医腫瘍内科学の専門医の資格をとって帰国された小林哲也先生が講師をされていました。
小林先生はJFVSSの代表理事もされているようですね。

小林先生は化学療法剤の薬用量がどのように決められているのかということや薬剤強度の考え方についてお話をされた後に、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン・ビンブラスチン、カルボプラチン、ロムスチン、トセラニブについて詳しくお話をされていました。
化学療法剤の薬用量を決めるための臨床試験で行われている第1相試験や第2相試験の話は初めて聞きました。
こうやって薬用量が決められているのかと興味深く聞かせて頂きました。
続く薬剤強度のお話は小林先生がよくお話されているお話で、歳をとっているからなどの科学的根拠の乏しい理由で化学療法剤の減量をすると寛解期間が短くなるなどの動物に不利益なことが起こるので薬剤強度を簡単に落とさないようにというお話でした。
当院で現在化学療法剤を用いて治療をしている症例も、副作用としてgrade3の好中球減少症が何度か出ていますが飼い主様と相談の上薬剤強度をできるだけ落とさないようにして治療を続けています。
小林先生は以前からロムスチンという化学療法剤を好んで用いているとお話されていましたが、今回もロムスチン愛にあふれるセミナーでした。ロムスチンは血球減少以外の副作用をほとんど出さない化学療法剤ですが、消化器症状をほとんど出さないので血球減少の管理がきちんとできれば良い薬だとは思いました。
血球減少はうまく捕らえられないと命に係わる副作用なので注意は必要だと思います。