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ハルステッドに学ぼう 無菌操作 ~術創感染症を予防しよう~
ハルステッドに学ぼう 無菌操作 ~術創感染症を予防しよう~
2022年11月30日
VMN(Veterinary Medical Network)主催の藤田淳先生の軟部外科シリーズ ハルステッドに学ぼう 第1回 無菌操作Aseptic Techniques ~術創感染症SSIを予防しよう~を受講しました。
講師は日本小動物外科専門医の藤田淳先生でした。
藤田先生は以前からよくハルステッドの原則についてお話をされています。
ハルステッドの原則とはアメリカの外科医だったWilliam Stewart Halsted先生が提唱したH:Haemostasis、A:Aseptic Technique、L:Light Touch、S:Supply of blood preserved、T:Tension free closure、E:Even tissue apposition、D:Dead space obliterated7原則からなる外科手術の原則です(ハルステッド先生の名前から1文字ずつとって7原則になっていますね)。
日本語にすると適切な止血、無菌操作、組織を丁寧に扱い医原性損傷を避ける、血液供給を妨げない、テンション(緊張)をかけない、組織を併置する、死腔をなくすということになります。
今回はこの中の無菌操作についてのお話でした。
お話の中でWHO(World Health Organization 世界保健機構)が提唱するSSI(Surgical site infection)予防のためのガイドラインについて触れていました。当院でもできる限りWHOのガイドラインに沿って術前から術中、術後までSSIを防ぐようにしています。
滅菌された術衣や術布を使うのはもちろんですが、もう10年以上前から再利用できる布の術布の使用をやめました。
術野を消毒したアルコールなどが布の術布だと染み出してきて術布の表側が汚染されるからです。
術野の消毒方法や術前の手洗いについてもWHOの現在のガイドラインに合わせています。
外科手術は上手に行うことも大事ですが、SSIを起こさないようにすることもとても重要です。
藤田先生の無菌操作のお話とても勉強になりました。
ちなみに今回のwebセミナーそっくりそのままToutubeにあがっていました。
ちょいマニアックな内容ですが、一般の方もご覧になれますのでご興味があれば見てみてはいかがででしょうか