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もったいなくない サイトポイント2023Update ~こんなのもったいない~
もったいなくない サイトポイント2023Update ~こんなのもったいない~
2023年09月21日
もったいなくない サイトポイント2023Update ~こんなのもったいない~というwebセミナーを受講しました。
講師はVet Craft代表で日本獣医皮膚科学会認定医 江角真梨子先生でした。
サイトポイントは主成分がロキベトマブというイヌ化抗イヌインターロイキン(IL)-31モノクローナル抗体製剤で、ヒトのアトピー性皮膚炎に伴う瘙痒を抑えるヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体薬のミチーガの犬バージョンと考えてもらって良いかと思います。
「イヌ化抗イヌインターロイキン(IL)-31モノクローナル抗体製剤」という名前がもう長くて「ん??」ってなりますよね。痒みが発生する間には色々な経路があるようですが、IL(IL=インターロイキン)-31が関わっている経路がある程度あるようで、IL-31に対する抗体を体内に入れることでIL-31の機能が阻害されて痒みが減るというものみたいです。つまり犬のIL-31に対する抗体薬ということですね。
犬と猫の痛み止めとして今年発売されたリブレラやソレンシアも同じ抗体薬ですね。
実はサイトポイントが発売されるより数年前にアポキルというアレルギー性皮膚炎の掻痒を抑える飲み薬が発売されました。
今まで犬の皮膚の痒みを抑える薬にステロイドホルモンやシクロスポリンという免疫抑制薬などがありましたが、副作用や様々な面から使いにくいなという思いを持っていました。
そこにでてきたアポキルは副作用もほとんどなく使えるし、使用感も非常によかったので現在全国の動物病院で広く使われていると思います。
数年遅れて発売された今回のお話の主役であるサイトポイントですが、アポキルよりもさらに副作用が少ない薬という位置づけだと思います。
現在アポキルで満足されているワンちゃんの飼い主様方にわざわざサイトポイントをお勧めするのもいかがなものかと考えていましたが、今回の江角先生のお話を聞いて考えが少し変わりました。
現在アポキルを飲んでもらっているワンちゃんについては定期的に血液検査をさせてもらっています。それは副作用として肝酵素の上昇があったりしますし、肝臓で分解されて腎臓から排泄される薬なので腎臓のチェックも必要だと考えているからです。(江角先生は尿検査も勧めておられました)
サイトポイントはとても安全な薬なので血液検査も尿検査も必要がないそうです。
アポキルよりもさらに安全性の高い薬と考えて良いかと思います。
アポキルを内服してもらっているワンちゃんの飼い主様方にお勧めしてみたいと思いました。