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今、SFTSについてもう一度考える

2025年07月18日

今、SFTSについてもう一度考えるというwebセミナーを受講しました。
まずSFTSって何?ってなりますよね。
SFTSとか何だよ日本語で言えよって思われるかもしれないのですが、日本語だと重症熱性血小板減少症候群と言いまして。。。。。
ええ、日本語でもわかんないですよね
Severe Fever with Thrombocytopenia Syndromeの頭文字をとってSFTSと言います。
主にマダニというダニが媒介するウィルス病と考えて下さい。
このウィルス病の特徴は致死率が高いという所で、ネコで60%・イヌで40%・ヒトで30%程度とも報告されています。
怖いですね。

このSFTSが最近増えています。
元々はマダニと大型の野生動物の間でウィルスがやり取りされていたので、人が感染することは稀でした。
それが昨今の温暖化によるマダニの数の増加や市街地での小型の野生動物の活動活発化などにより市街地でもリスクがあるようになってきました。
そんなSFTSについて日本大学の松鵜彩先生と過去にご自身がSFTSに感染したという奥山寛子先生(やの動物病院 宮崎県)がお話をされるというwebセミナーでした。

奥山先生はご自身が感染された時の経緯なども交えてSFTSに感染した動物の状況や疫学などについてお話されていました。
松鵜先生は残念ながら亡くなってしまった動物と治癒した動物の血液検査結果の違いなどについてお話されていました。

松鵜先生の疫学調査の報告は特に興味深いものがありました。
2021年に千葉で行われました野生動物に対する疾患疫学調査ではおよそ30%の野生動物がSFTSに対する抗体を保有していたという報告や、2025年に神奈川県で行われた疾患疫学調査ではアライグマ12頭中8頭で抗体が陽性だった(66.7%)という調査結果に触れておられました。
アライグマは市街地に住んでいる小型の野生動物ですから、関東の市街地といえども油断はできないと思いました。
またマダニ対策は動物病院ですでにしてあったのに感染してしまった事例もあることなどから、マダニが生息していそうな場所へ出入りしないことも重要だと思いました。

SFTSは非常に致死率の高い疾患です。
動物やそのご家族、私達獣医療に携わる者たちの健康や生命をいかにして守ればいいのかを考えさせられたセミナーでした。