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『子猫期』を見逃さない!未来の診療をラクにする行動トレーニング


『子猫期』を見逃さない!未来の診療をラクにする行動トレーニング
2025年12月22日
『子猫期』を見逃さない!未来の診療をラクにする行動トレーニングというwebセミナーを受講しました。
本セミナーはフードメーカーのヒルズさん主催の猫の行動学のセミナーでした。
講師は日本獣医動物行動研究会認定医の村田香織先生でした。
村田先生は行動学の立場からなぜ猫にトレーニングが必要かというお話からされていました。
また猫はストレスにより免疫機能低下・治癒遅延・食欲低下を招くので、ストレス軽減は単に診察を「ラクにする」ためだけではなく医学的介入の「質を向上」させるために必要な行為だとお話されていました。
同時に
■ 短時間の保定でコルチゾールが有意に上昇する(Stewart et al., 2013)
■ 診察・保定でコルチゾールが2–3倍に上昇する(Gruen et al.,2014)
■ 猫は投薬や保定などの急性ストレスでコルチゾールが上昇し、免疫抑制や治癒遅延を招く場合あり(Carney et al., JFMS 2012)
■ 投薬や通院のストレスによってFIC(特発性膀胱炎)などのストレス関連疾患を悪化させる場合あり(Buffington et al., 2006)
上記のような報告も示されていました。
通院するだけで特発性膀胱炎を発症する猫さん。思い当たります。
また動物の動物の恐怖や不安、ストレスを最小限に抑えることで以下のような効果が得られるようにするFear Free という活動の紹介をされていました。
■ 動物の心身の健康を守る
■ 診断精度の向上
■ 獣医療の質の向上
■ 獣医療従事者の安全性向上
■ 飼い主様の受診意欲を高める
動物に恐怖や不安を与えないようにすることで、このような良いことがいくつも期待できますから是非前向きに考えたいと思います。
何故猫にトレーニングが必要かがわかったところで、村田先生は投薬トレーニングと爪切りトレーニングについてお話をされていました。
猫の投薬はなかなか大変ですね。
口の中に放り込んでもペッと吐かれてしまったり、よだれを泡のようにブクブク出したり、薬の袋をカサカサするだけで逃げ出したり、大変だと言うお話は飼い主様から常日頃伺っております。
そこで投薬トレーニングです。
方法は簡単です。食事の際にドライフードをお皿に出しますよね。そこでドライフードを猫さんのお口の中に放り込んでください。先生はドライフードを持っているという所を見せておいた方が良いともお話されていました。
1日1回ご飯の時に子猫の頃からトレーニングしていれば、猫さんの方もストレスなく投薬を受け入れやすくなるはずです。
明日から子猫を連れて来院された飼い主様にお話したいと思います。
次に爪切りトレーニングですが、村田先生は本当にその爪切りは今必要ですか?とお話されていました。
確かにネットにも本にもあちこちに猫の爪は切りましょうと書いてありますが、今本当に必要かと言われれば今は必要ないことが多いかもしれないと思いました。
子猫を連れて来院された飼い主様から、爪を切って欲しいというリクエストは良く受けます。
しかし、よく考えてみれば子猫の爪を切る必要はないと思います。
猫を押さえつけて本来必要のない爪切りをすることで、猫と飼い主様の関係が壊れてしまうこともあるかもしれません。
村田先生は必要のない爪切りはやらなくていいとお話されていました。全く同感です!
絶対に爪を切らなくてはならない状況があるとすると、老齢になって主に関節炎などの痛みによって爪とぎがうまくできなくなった場合ではないでしょうか?
猫の爪は生涯伸び続けますから、猫は自分で爪とぎをして爪を短くします。
しかし、上手に爪とぎができなくなると爪は短くなりませんから弧を書くように伸びた爪は肉球に当たりそのうち肉球に刺さります。
これは切らないといけないと思います。
もうひとつ爪を短くしておくべき状況があるとしたら、尖った爪による攻撃力を減らして同居動物やご家族、家具など(+動物病院スタッフ)を守る時でしょうか
そのようないつか爪を切らなくてはならない状況に置かれた時にスムーズに爪が切れるようなトレーニングは必要だと思います。
そのための爪切りトレーニングのお話もされていました。
猫のモードがオフになっていて落ち着いている時に、体を触りながら肉球や指を触って爪を出すようにしてくださいとのことでした。そして嫌がられる前にやめて下さいともお話されていました。
当院の猫も爪切りは3人がかりで大騒ぎですから、爪切りトレーニング今日からやってみたいと思います。
今当院の猫に爪切りトレーニングやってみました。
できました!
ここまで読んで頂いた猫の飼い主様!是非やってみてください。
くれぐれもお怪我をなさらないように。









