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時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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犬の急性出血性下痢症候群~急性下痢に対する抗菌薬投与ガイドライン2024~

2024年11月24日

犬の急性出血性下痢症候群~急性下痢に対する抗菌薬投与ガイドライン2024~というwebセミナーを受講しました。
本セミナーはVets ManaVivaというネット上のサロンのような場所で月に一回お題がでて先に問題に答えてから本編で答えと解説を兼ねたセミナーを配信するという形になっています。
講師はサロンのホストでもある日本小動物医療センターの中島亘先生でした。

犬の急性出血性下痢症候群Acute Hemorrhagic Diarrhea Syndrome (AHDS) はたまに遭遇する病気で、大量の出血性下痢(+吐血もあり)が特徴的です。
体内の水分が下痢によって喪失してしまうので出血してもPCVが上がることが多くかなり積極的な輸液療法が必要です。
中島先生はセミナー内でAHDSの病態や病因などについてお話されていましたが、病因についてはまだ分かっていないことも多いがPore-forming Toxin (間隙形成毒素) のNetF をコードするClostridium perfringens A型株という細菌の何かしらの関与によって発症するのではないかという説が最も有⼒視 されているとお話されていました。ただ、国内ではClostridium perfringens A型株のNetF 毒素を特定する検査はまだないので診断はできないともお話されていました。
セミナーの後半では2024年に発表された急性下痢に対する抗菌薬投与ガイドラインについてお話されていましたが、ガイドラインでは急性下痢のほとんどの場合において抗菌薬の使用は推奨されないことになっているとのことでした。
今まで急性下痢の症例において、便検査でClostridiumなどの特定の菌の増殖が見られた場合には抗菌薬を使用してきましたが、ガイドラインでは非推奨ということのようなのでこれからは一旦使わないで治療をしていこうと思います。