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膣腫瘍の外科 第30回日本獣医がん学会教育講演
膣腫瘍の外科 第30回日本獣医がん学会教育講演
2024年07月24日
7/6と7/7にホテルニューオータニ東京で行われました第30回日本獣医がん学会の録画配信が始まりました。
何年か前から配信を視聴しただけでは学会に参加したと認めないという方針に変わったので実際に現地で参加もしてきましたが、学会の録画配信が始まったので視聴してみました。学会は通常いくつかの会場で教育講演やらシンポジウムやらが同時進行で行われていますので、現地参加をしても同時にいくつかの会場で参加することはできませんから配信はとてもありがたいです。
ちなみに現在日本獣医画像診断学会、日本獣医麻酔外科学会も学会の録画配信をしていますが配信期間には限りがありますので、とても忙しいです。
今回視聴したのは膣腫瘍の外科という教育講演で講師は日本動物高度医療センターの山崎寛文先生でした。
膣腫瘍は通常不妊手術を受けていない中年齢以降の雌犬に発生する腫瘍でそのほとんどは良性ですが、時に大きくなって周りの臓器を圧迫して臨床症状を出すと言われています。
山崎先生は上記のような膣腫瘍の疫学や分類からお話されていましたが、膣に発生する腫瘍で悪性のものは非常に稀で20年弱の二次診療施設勤務でもほとんど見たことがないとのことでした。
また膣は尿道の背側で直腸の腹側にあるので腫瘍の位置を術前に知ることでどこの臓器由来なのかを判別可能なことが多いとお話されていました。
講演では実際の手術動画を何本か示されながらここは出血が多いので腸鉗子を使って圧迫していますなどといった役に立つお話が多く聞けました。
何となく骨盤腔にアプローチしないといけないのかな?などと考えていましたが、ほとんどの場合骨盤腔にはアプローチしなくても会陰部か腹腔内からアプローチできるようなので膣腫瘍の症例に遭遇した時のやる気がかなり出ました。