TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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「新提案」島崎流 外耳炎のスタンダード治療

2024年05月20日

「新提案」島崎流 外耳炎のスタンダード治療というwebセミナーを受講しました。
講師は東京農工大学動物医療センター皮膚科の島崎洋太郎先生でした。

島崎先生は外耳炎についてまず解剖のお話をされた後にPSPP分類の話をされていました。
PSPP分類とは2010年にGriffin先生によって提唱された外耳炎の発症要因による分類方法です。
PSPPのP・S・P・PとはP:Primary Factor(それだけで外耳炎を発症し得る原因 主因ともいいます)、S:Secondary Factor(外耳炎によって発生する二次的要因 副因ともいいます)、P:Perpetuating Factor(外耳炎を悪化させる要因 増悪要因ともいいます)、P:Predisposing Factor(外耳炎になる前からあるなりやすさ 素因とも言います)で、これらが複雑に影響しあって外耳炎を発症させて悪化させると考えられています。
時にウチの犬の外耳炎はマラセチア性外耳炎だと言われていますというようなお話を飼い主様から伺うことがありますが、マラセチア感染はPSPPのSecondary Factorですから通常それだけで外耳炎発症の原因にはなりません。ほとんどの場合でPSPPの一番目のPであるPrimary Factor(主因)が発症に関わっていると言われています。よって外耳炎の治療を考えるときにPrimary Factorのうちの何が発症に関わっているのかを調べていかないといけないことになります。

また島崎先生は耳の状態を把握するためにスコープ検査、耳垢検査、レントゲン検査が必要だとお話されていました。
当院では耳の状態を把握するためにレントゲン検査をお勧めすることは今までありませんでした。しかし、難治性外耳炎症例のうちある一定割合の症例がすでに中耳炎になっていると言われています。レントゲン検査で耳の状態が把握できるのであればこれからは飼い主様におすすめしてみようと思いました。言われてみれば確かにそうだとは思いますが、思いつきませんでした。

また主因がアトピーだった場合のプロアクティブ療法について、犬用アンテドラッグであるアレリーフローションを勧めていました。当院でも同様なケースでステロイドローション点耳によるプロアクティブ療法をお願いしていますが、ステロイド皮膚症がでたりしてうまくいってなかったのでこれからはアレリーフローションでプロアクティブ療法を行っていきたいと思います。