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猫伝染性腹膜炎の治療 オーストラリアの臨床試験結果
猫伝染性腹膜炎の治療 オーストラリアの臨床試験結果
2024年03月06日
猫伝染性腹膜炎の治療 オーストラリアの臨床試験結果という教育講演を受講しました。
講師はシドニー大学のDr. Sally J Cogginsでした。
この講演は2/23(金)~2/25(日)に行われました第20回日本獣医内科学アカデミーの教育講演として行われていましたが、開催後の配信が始まったのでwebで視聴させて頂きました。
猫伝染性腹膜炎(Feline Infectious Peritonitis=FIP)の治療についてはここ何年かで大きな変化がありました。
以前はFIPを発症した猫を救命することは不可能で、FIP=不治の病でした。
ここ何年かでGS-441524やレムデシビル、モルヌピラビルなどの治療薬が次々に世の中に出て来てFIPは治る病気になってきました。素晴らしいですね。
Dr. Sally J Cogginsは主にGS-441524やレムデシビルの投与量や投与方法、投与期間や副作用などについてお話されていました。世界中からこれらの薬を使ったFIPに対する治療についての報告が出ているようで、80-90%の猫が治療が成功して治っているようなお話でした。
残念ながら国内ではGS-441524とレムデシビルは流通がないので海外から輸入をしなくてはなりませんが、モルヌピラビルが国内で購入可能なので当院ではモルヌピラビルを使用しています。
Dr. Sally J Cogginsによると、GS-441524やレムデシビルと比べてモルヌピラビルは安全域が狭かったり、副作用が出る可能性がやや高いようです。
国内でもGS-441524やレムデシビルが購入できるようになると良いなと思いました。
(手間を惜しまずに輸入しろや!と思われるかもしれませんが、FIPは元々不治の病だったようにとても怖い病気です。輸入に手間取って治療開始が遅れるよりも手に入りやすい薬で治療を早く始めたいと考えています。)