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時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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軟部外科オペテクニック解説セミナー 胆嚢の外科

2023年06月28日

軟部外科オペテクニック解説セミナー 胆嚢の外科というwebセミナーを視聴しました。
講師は米国獣医外科学専門医(小動物)の徳永暁先生でした。

胆嚢の外科は主に胆嚢粘液嚢腫や総胆管の閉塞などによる胆嚢切除が行われると思います。
徳永先生はいくつかのデータを示して胆嚢切除のリスクについてお話されていました。
胆嚢粘液嚢腫では最終的に胆嚢壁が薄くなって破けてしますのですが、胆嚢が破裂していた症例では死亡オッズが2.7倍になっていたという報告がでているので胆嚢粘液嚢腫では胆嚢が破れる前の手術がお勧めとお話されていました。
ただし、先生が示されていた他の報告では胆嚢粘液嚢腫を緊急的に手術をしたグループでの死亡率は23%だったが待機手術をしたグループの死亡率は6%となっていました。6%は一般的な外科手術のなかでもかなり高い死亡率だと思います。かと言っても6%も死亡率あるんじゃ手術したくないと思っているうちに胆嚢が破裂して緊急的に手術することになれば死亡率はさらに上がって23%になってしまいます。
この辺は総胆管の拡張の程度や本人の様子、Tbilなどの血液検査データなどから手術が避けられないと判断すればご家族とよく相談して手術をしたほうが良いのだと思います。なかなか難しい判断になると思います。
症状を出していない動物で胆嚢切除をするのかどうかについては外科医によっても判断が分かると聞いています。
また、胆嚢切除をした後に総胆管の洗浄をするかどうかについても外科医によって判断が分かれると聞いていますが、徳永先生は総胆管に粘液が詰まっていて閉塞しているなどの場合を除いてルーチンで洗浄はしていないとお話されていました。その根拠なのかどうかわかりませんが、総胆管へのカテーテル挿入をすると術後膵炎の発生率が8.4倍になるという報告も紹介されていました。

当院にも今はまだ胆嚢粘液嚢腫にはなっていないが、将来はどうだろうか?というわんちゃんがいます。
手術のリスクなどについてはすでにお話はしてあって、手術をしなければいけない状況になりませんように!と神頼みをしている段階です。このまま困ったことにならずに生涯を過ごせますように!