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循環生理学の基本 麻酔ブートキャンプ2022
循環生理学の基本 麻酔ブートキャンプ2022
2022年12月23日
循環生理学の基本 麻酔ブートキャンプ2022を受講しました。
講師は東京大学動物医療センターの長久保大先生でした。
循環と麻酔のお話は興味のある分野です。
麻酔中の血圧測定は非常に重要です。もちろんETCO2(呼気二酸化炭素濃度)やSpO2(動脈血酸素飽和度)などのモニターも大切ですが、血圧が下がれば(=循環が低下すれば)術後膵炎・術後腎不全などのリスクが上がります。血圧低下が著しければ生命の危機もあり得ます。
しかし、血圧だけでは動物の循環状態を把握するのは困難です。
血圧=心拍出量×体血管抵抗、心拍出量=心拍数×1回拍出量となっていて、つまり血圧=心拍数×1回拍出量×体血管抵抗となります。可能であれば1回拍出量や体血管抵抗も測定したいところですが、これは現実的には無理なので測定可能な血圧と心拍数から動物の循環状態を想定していくことになります。
この少ない情報から生体の状態を想定していく過程が私にはとても面白いと思いますが、話がややこしくなりそうなのでこのお話はここまでで終了にします。
講義では前負荷後負荷の話から前負荷・高負荷が変化したときの静脈還流量曲線・心拍出量曲線のお話、それぞれの昇圧薬・強心薬の作用のお話などがありました。
当院でも麻酔をかけるときには昇圧薬としてアドレナリン作動薬をすぐに使えるように用意がしてあります。必要な時はすぐに使いますし、(必要がないことのほうが多いのですが)使わなかったときはそのまま廃棄します。
平均血圧が下がってきたときはいくつかの薬物を用いますが、アドレナリン作動薬はとても便利です。
循環生理学の基本 勉強になりました。