TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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眼科

当院の眼科について

眼科疾患には先天的な疾患や後天的な疾患もあります。眼自体の問題もありますが、全身状態の悪化が眼に現れるケースもあります。動物のご家族からよく話を伺って眼だけでなく眼から全身を見るようにしています。

眼科分野で多い症状

  • 目が赤い
  • 眼が白い
  • 眼が青い
  • 眩しそうにしている
  • 目やにが出る
  • 涙が多い


当院の獣医師はVSJ College眼科コースを修了しています。

眼科の診断・検査

眼科疾患には特定の犬種によく発症するものや、遺伝性のもの、発症年齢に傾向があるものもあります。
動物個々の状態をしっかりと見ながら、様々な検査で判断していきます。

眼科の検査

検査名 検査の目的
眼圧測定 眼の中には眼房水という液体が流れていて、眼房水の流入量や廃液量によって一定の眼圧を保っています。眼圧検査によって眼の状態を把握します。
スリットランプ検査 幅0.5-1mmのスリット光を用いて検査を行います。角膜の厚みや窪み、水晶体の状態、角膜から水晶体の間の前眼部の状態を観察します。
フルオレセイン検査 特殊な染色液を用いて角膜潰瘍、鼻涙管の開通性、涙液層保持時間などについて検査します。
眼底検査 眼底にある網膜、脈絡膜、視神経乳頭の観察をします。

代表的な眼科の病気

眼科で代表的な病気の一部をご紹介します。

角膜傷害

角膜傷害は、角膜上皮の表層が脱落した点状表層角膜症、角膜上皮が欠損した角膜上皮びらん、欠損が角膜上皮から角膜実質にまで及んだ角膜潰瘍、潰瘍がさらに深くなりデスメ膜が露出したデスメ膜露出(眼圧によりデスメ膜が押されて突出したものをデスメ膜瘤と言います)に分けられます。

ドライアイ

ヒトでは涙液層破壊時間(BUT:Break Up Time)が5秒以内でかつ眼の不快感などの自覚症状があればドライアイと定義されていて、涙液の量が少ないからドライアイということにはなっていません(ドライアイ研究会 2016)。
イヌでは自覚症状が不明なこともあってドライアイを2つのタイプに分けて定義しています。

涙液減少型(乾性角結膜炎KCS) 臨床所見は結膜の充血や眼ヤニなどで、涙腺と瞬膜腺の機能障害による涙液水層の病的な減少と角膜障害などの眼表面の問題が起こる。
涙液の質的異常型 涙液層破壊時間の短縮やマイボーム腺機能不全、瞼の異常などが見られる。涙液層の質的異常によって涙は出ているが蒸発や流出、擦過などによって涙が角膜表面に定着できない状態。
白内障

白内障とは、本来透明なはずの水晶体や水晶体嚢が様々な原因により変性し、不透明になった状態を指します。白内障による水晶体の不透明化は水晶体の水溶性蛋白が変性し不溶性化するために起こると言われています。その原因には加齢、外傷、遺伝、放射線、糖尿病、中毒などがあります。

分類

発症時期による分類
先天性白内障:眼が開いたときにすでに白内障がある
若年性白内障:2歳齢までに発症する白内障
成年性白内障:6歳齢までに発症する白内障
老年性白内障:加齢による白内障
病期による分類
初発白内障:初期にみられる小さく限局的な混濁(水晶体の15%まで)
未熟白内障:混濁が広がっているが、視覚がある状態
成熟白内障:混濁が水晶体全体に拡がり、視覚を失った状態
過熟白内障:水晶体の皮質が液化し水晶体体積が減少した状態で、多くの場合水晶体起因性ぶどう膜炎を併発します
形態による分類
膨隆白内障:混濁した水晶体に水分が吸収されて膨張した白内障 ぶどう膜炎や緑内障を併発する危険性があります 超音波検査で水晶体の検査をします
モルガニー白内障:過熟白内障の段階で水晶体皮質が液化し、水晶体核が下方に沈んだ状態 さらに進行すると水晶体が委縮して収縮性白内障といわれるようになります

治療

白内障によって視覚が失われた動物に対して視覚を取り戻す治療は外科手術しかありませんが、多くの場合様々な理由により外科手術は選択されていません。

内科治療

視神経の機能喪失や網膜剥離などにより手術によっても視覚の回復が望めない場合や、他の様々な事情により外科治療が行われない場合に内科治療が行われます。

白内障の内科治療は点眼薬や内服薬による水晶体起因性ぶどう膜炎の治療であり、視覚を取り戻す治療ではありません。
しかし、白内障になった犬に内科治療をしたグループとしなかったグループではその後苦痛を伴う合併症の発症リスクが65倍違うと報告されていることからも、視覚の回復をあきらめてもなお内科治療を行うメリットはあると思われます。

実際に行われる治療と検査
水晶体起因性ぶどう膜炎の程度により非ステロイド性抗炎症薬~ステロイド点眼が行われます。
水晶体起因性ぶどう膜炎の程度や角膜損傷の有無などの把握のために定期的な眼の検査が行われます。

緑内障

犬の緑内障は、視神経症、または網膜神経節細胞およびその軸索の障害を引き起こすさまざまな要因によって引き起こされる疾患群とされています。眼球の内圧は房水が流れることで一定に保たれていますが、さまざまな原因で房水の流出路が障害されると緑内障が生じます。一度緑内障によって視神経が障害されて失明に至った眼では、視覚を回復することはありません。その為、緑内障の診察では、早期発見、早期治療が必要不可欠です。