TEL 042-333-0009

時 間 午前9~12時、午後4~7時
休診日 火曜日・祝日

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門脈体循環シャントの超音波検査

2023年04月06日

門脈体循環シャントの超音波検査というwebセミナーを受講しました。
講師はVet Imaging Supportの石川雄大先生でした。

門脈とは消化管や脾臓などから集まった血液を肝臓に送る血管です。本来は門脈から肝臓を経て体循環に血液は帰っていきますが、肝臓を経ない門脈から体循環への直接のバイパスができている状態を門脈体循環シャントと言います。
ほとんどの場合は症状や血液検査から門脈体循環シャントを疑って、CT検査によってシャント血管を見つけることで診断します。

石川先生はほとんどの門脈体循環シャントは超音波検査で診断できるとお話されていました。以前受けていた米国画像診断専門医の宮林先生の腹部超音波実習でも「簡単にわかるよ~」と宮林先生はお話されていましたが、その時は自分が超音波検査の駆け出しだったこともあってお話がほとんど理解できませんでした(わかるまで質問しろよって話ですが)。
石川先生は(左胃静脈を含む)脾静脈と右胃静脈をシャント血管の好発部位としてお話されていました。
シャント血管付近の血管では普段流れない方向に血液が流れます。普段流れない方向への血流と本来はない血流のふたつを超音波画像で捉えることでシャント血管を描出されていました。
これは大きな気づきになりました。
今までは総胆汁酸とNH3の高値があれば超音波検査なしでCT検査をお願いするか二次診療施設への紹介をしていましたが、その前に院内で超音波検査をしてみるのもありだなと思いました。
石川先生は以前から腹腔内の血管やリンパ節は超音波のプローブをあてるだけですべて答えられるとお話されています。そのような画像診断の眼があればできる検査なのかもしれません。まだまだトレーニングが必要なのかもしれません。